なろうのランキングがおかしい……。
最近のなろうは変だ。
昔のほうがおもしろい作品がいっぱいあった!
そのような声を聞くことが増えてきたような気がしますね。

こんにちは。悩めるクリエイターと疑問を深掘りしていくつくもりです
今回の疑問はこちら
それでは深掘りしていきましょう!
小説家になろうはオワコン(=終わったコンテンツ)なのでしょうか?
答えは、はいともいいえともいえません。
「なんの解決にもなってないじゃないか!」と批判の声がとっても聞こえそうですが、落ち着いてください。順に解説を行なっていきます。
小説家になろうという媒体のあり方は、確かに変わったと思います。
ただ、変わっただけで、完全に終わったわけではありません。
別物になりつつあると考えた方がいいかもしれません。
なので、以前のように利用したかった方々にとっては、『終わったコンテンツ』となってしまうのでしょう。
以前の小説家になろうは、異世界ファンタジー(ローファンタジ・ハイファンタジー)が活発に投稿され、ランキングもファンタジーが占めていました。
現在の小説家になろうは、異世界恋愛が活発であり、また、『短編』がランキングを占有しています。
まず一つ目に、異世界転生・転移の隔離ですね。
これは言わずもがなですね。
もともと、小説家になろうは異世界転生・転移ものが活発でした。
その理由も、「こういうのが読みたいけれど、公募だととってもらえない」という、読者の目線が入らない出版業界全体の問題に真正面から立ち向かったからではないでしょうか。
小説家になろうは、作者であり、読者であった人々が、自分が読みたいものを投稿していった結果、多くの人に楽しまれるサイトになったのだと予想しています。
ですが、現在はどうでしょうか?
こういうのが読みたいけれど、公募だととってもらえない。
そんな姿は跡形もないと思います。
むしろ、読者受けがいいものを書いたら、書籍化される。
そんなサイトに変化しましたね。
このサイトのあり方自体が変わってしまったのが、なろう衰退期第一歩で、そのスイッチを押してしまったのが、異世界転生転移の隔離だと思っています。
二つ目に、読者層の変化があげられると思います。
まずは、女性読者の増加。
これは、異世界恋愛が増えていることからもそうでしょう。
もうひとつ、小説家になろうの存在を知らなかった人が、アニメ化や漫画化によって存在を知ることになったことがあげられると思います。
女性読者、一般層が増えたことで、何が変わったかというと、これはあくまでも個人的な予測になりますが、ポイントを投げやすくなった・スコップ(埋もれているおもしろい作品を探すこと)をする人数が相対的に低下した、だと思います。
女性は一度ポイントを投げるということを覚えると、わりと簡単に投げるようになると思います。
あいさつと言いますか、「書いてくれてありがとう」というお礼感覚かなと思います。
これ自体はとってもいいことだと思います。評価されずに悲しんでいる作者のほうが圧倒的に多いようですから。
一般層の増加、女性によるポイント投げが多くなったことにより、相対的にスコップで見つかる確率が減り、おもしろい作品・真新しい作品が浮上しにくいサイトに変化したのではないかと予想しています。
そして、どちらかというと、本当にただの暇つぶしサイトになったのではないかと…。
暇つぶしなので、書籍化してほしい作品や応援している作品にポイントを投げるとかではなく、なんとなくその場で楽しかったものにポイントを投げる。
そして、投げたことも忘れるので、書籍化しても買ってもらえない。
そんなサイクルになっているのではないでしょうか?
そしてもうひとつ。
小説家になろうには、「テンプレ」と呼ばれるものがあります。
王道のストーリーとかもありますので、テンプレがいいか悪いかの議論は非常に難しいところがあるのですが、今回はテンプレが流行したことで、小説家になろう全体が二次創作サイトのようになってしまったのではなかという問題を提議したいと思います。
これは完全に予想であり、根拠はなにもありませんが、現在の小説家になろうの構造が、二次創作と非常に酷似しているからです。
とくに、オリジナル主人公を作り出すタイプの二次創作に似ていると思います。
なろうがつまらなくなってしまった理由は、『ナーロッパ』というお約束事が、読者でも作者でも共通になり、ナーロッパであることが当然になってしまったからではないでしょうか。
ナーロッパという共通認識があり、オリジナルキャラを生み出し、その世界で遊ばせる……。
勘のいい方は気づいたかもしれません。そうです。
現在の小説家になろうのほとんどは、ナーロッパという原作の二次創作のような構造になっています。
お約束の世界観(原作の世界)があり、テンプレの展開(原作ストーリー)が存在する。
決まった流れがある中で、作者オリジナル要素を少し忍ばせる。
そのような二次創作の小説が、実際にあります。
それは、名前変換が可能であり、主人公=自分として感情移入して楽しむことができます。
現在のなろう作品の構造は、かぎりなく二次創作に近いのではないかと思います。
だからこそ、かつてのような名作は誕生しにくい。
お約束を外れると読まれないので、完全なオリジナル作品がランキングにのりにくくなり、また、作者もランキングにのるためにテンプレを書く構造になっています。
このあたりは、その原作ではないと読まれない二次創作とよく似ています。
作者の腕はそこまで関係なく、原作が有名だと、なにもせずとも閲覧が増えていく仕組みが二次創作です。
どの原作で書くかが閲覧数を上下させる一番の要因になるのです。
そして、現在の二次創作の流れは、長編よりもサクッと楽しめる短編です。
二次創作の宝庫であるPixivを見るとわかると思います。短編ばかりです。
(Pixivの短編は、話の長さではなく、一度に投稿するかで計算させていただいています。長編=シリーズ設定と考えてください)
気軽に読んで楽しみ、次の作品を見る。
前に読んだ話の内容なんて、よっぽどでないかぎりあまり覚えてはいません。
次から次へと物語を摂取して、身内の中で楽しみます。
現在の小説家になろうのランキングは、異世界恋愛の短編がほとんどです。
なろうは一次創作のPixivのようになりつつあるのではないでしょうか?
Pixivを詳しく知らない方は、一度見てみるといいでしょう。検索に原作の名前を入力するとたくさんでます。
女性が楽しむ二次創作構造が垣間見れると思います。
これはあくまでも予測ですが、女性二次創作は男性同士のカップリングが勢いを増しているように思います。
そのため、男女のカップリング好きが一次創作のなろうに流れてきつつあるのではないでしょうか?
運営側がなにかしらの対策をとるのではないでしょうか……。異世界転生も隔離をしましたし。
とらないのであれば、小説家になろうは完全に以前とは別物になったと判断し、ファンタジーで書籍化を目指している方は、どこかのタイミングで移動などの行動を起こすべきだと思います。
この流れは、ニコニコ動画のブームが終わった時を連想させますね。
ニコニコ動画はかつて、動画界でトップに立っていました。
ですが、現在はどうでしょう。
すっかりYouTubeにその座を奪われています。
当時の流れを教訓にしているのか、カクヨムが頑張りつつある気配を感じます。
広告収入や、サポーター機能を入れたりと。
この流れに文句を言う方もいらっしゃると思いますが、結局、お金の力は強いのです。
でなければ、なぜ、書籍化が一番できるなろうに投稿するのでしょうか?
なぜランキングにのりたいと思うのか?
書籍化の可能性が一ミリもなくなっても、なろうに投稿する作者はどれだけいるでしょうか?
過去にはインセンティブが欲しいなんて意地汚いと言われていたアルファポリスですが、投稿サイトの中で力を上げた理由は?
頑張ったら、頑張っただけの対価がほしいと思うのが人間です。
ただ、現在のなろうではそのサイクルがうまく機能しなくなりつつあるのです。
勘のいい作者はすでに移動しつつあるでしょう。
今はまだ、カクヨムは先行者になれる可能性があるからです。
トップYouTuberといわれる方々は、YouTubeなんか流行るわけないと笑われていたころから頑張ってきた人たちが多いです。
結局、なにが流行るかなんて、人はわからないのです。
ただ、心のどこかに違和感があるのなら。
自分の直感を信じてみてもいいのではないでしょうか?
小説は複数投稿が可能ですし、運営側が対応してくれたり、元の流れにもどったならそのまま続ければいいのです。なにかしらの行動をしても損はないと思いますよ。
小説家になろうの現在の状況を予測してみましたが、「的外れすぎる笑」という方もいらっしゃるでしょう。
そう思う方はそれでいいと思います。
あくまでも個人的な予測ですので、今後のことはわかりません。
ただ、これを読んでいらっしゃる方は、心のどこかで、「何かがおかしい。このままでいいのかな?」と思っていらっしゃる方だと思いますので、自分の気持ちに素直になっても大丈夫ですよと背中を押してあげたいと思っています。
今はまだ、なろうが一強だと思います。
ですが、運営がなにも対策をとらず、また、この流れを一掃するような名作が登場しなかった場合、なろうは過去のなろうではなくなると思います。
そのときに後悔しないよう、今から少しずつ種をまいておいてもいいと思います。
やりたいと思うことを、やりたいようにやってくださいね。
決めるのは自分なのですから。

それではまた。次回のお悩みでお会いしましょう!
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